映画『ゴッホ 最期の手紙』に感動

 現在、上野の東京都美術館ゴッホ展 巡りゆく日本の夢 』が開催されているのだが、それに行く前に、もう少し、ゴッホについて知識を得てから観賞したいと思って、先日、原田マハ『 たゆたえども沈まず 』とう本を読んだ。
 もう一つ、展覧会に行く前に観ておきたかったのが、映画ゴッホ 最期の手紙だ。
 六本木ヒルズで上映しているのを知って、夕方、帰宅途中に寄って観た。
          
 この映画、なんと言っても凄いのは、ゴッホ自身が描いたと思えるタッチの油絵で描写されたアニメーション映画なのだ。
 ゴッホの油絵が、「動く油絵の動画」となってスクリーンに映し出されたのには、ちょっと感動。
 回想部分はモノクロの水彩画で表現しながら、ゴッホの油絵タッチの描写で物語は展開する。
 郵便配達人であった父から託された手紙をもった青年アルマンが、ゴッホが晩年住んだアルル、パリ、オーヴェールを巡りながら、ゴッホと交わった人たちと会って、銃による「自殺」とされているゴッホの死に、不可解な事実が隠されているのではないかと探る旅の物語。
 僕は、油絵の動画の不思議な感動の世界に引きずり込まれたまま、上映時間2時間9分を過ごしてしまった。
 ゴッホの作品に描かれている肖像画タンギー爺さんや 郵便配達夫ジョゼフ・ルーランが、油絵そのままの人物で動くのだから、それは圧巻だ。
 彼らが、ゴッホの情熱、孤独、狂気などの姿を語り、「37歳という若さで、彼はなぜ命を絶たなければならなかったのか?」「彼は本当に自分の腹を銃で自分で撃ったのか?」「彼が最期に見たものとは何だったのか?」と、ゴッホの人生に迫るのだ。
 ちなみに、この映画は125名の各国から選ばれた画家たち(日本人画家1名含まれている)が、ゴッホのタッチを再現しながら、1秒に12枚の油絵で動きを作り映像にしたのだそうだ。その絵の数は、何と6万枚以上。
         

 この「星月夜」も動き出して、夜空がぐるぐるまわって星がキラキラ光って、教会や街並みがどんどん近付いてくるのだ。
          
 ダンギー爺さんや、医師の娘・マルグリットが、油絵の中から動きだし、語り出す。
          
          
 畑からは、奇妙な少年が飛び出す。
          


 機会があったら、ぜひ、お薦めの映画だ。