9月に入っても、残暑厳しい陽射しだが、秋は確実に訪れ始めている。
◇秋の空・秋の雲
今朝、6時過ぎに我が家の屋上に上がったら、空にも、そして、雲にも、秋の気配が漂っていた。
これは、午後3時頃の高田馬場駅前から見上げた空。
◇道路端の花々にも秋を感じて
今朝、案内所に出掛けるときに、いつもの乗車バス停を避けて、その先までバス停1つ歩いてみたら、こんな花を見つけた。
この花々にも秋の気配を感じながらシャッターを切った。
街路樹の根もとに群生していた「ツユクサ」
朝咲いた花が昼しぼむことが、朝露を連想させることから「露草」と名付けられたという。
こちらは朝日を受けとめて輝く「芙蓉」
この花も、朝咲いて夕方にはしぼむ1日花だ。花言葉は、「繊細の美」「しとやかな恋人」。
◇俵万智さんの秋の短歌(うた)
俵万智さんの『かぜのてのひら』という歌集に、こんな短歌がある。
やわらかな秋の陽ざしに奏でられ川は流れてゆくオルゴール
初秋の夕暮れ時、川面に揺れ動く陽ざしの光と、頬をなでる柔らかな風と、そして飛び交う赤とんぼを追う僕の眼差し・・・。
そんなイメージを僕は感じて、好きな秋の短歌(うた)の一つだ。
◇林芙美子の詩『秋』
今日の東京新聞夕刊に、約90年前、同人誌に発表した林芙美子の『秋』という詩が見つかったという記事が載っていた。
『秋』
もう秋である
落ちついていいはづの秋である
郊外の祭の夜
真紅な風船を買って来た私
笑ふて下さいませ
金パクの卯年の女は
もいちど恋がしてみたいと思ひました。
郊外の祭の夜
カーバイトの青い灯の下で
糸の脈を切って散乱する
風船を見た私
子供のやうに唇を真紅にそめて
男の流れに泳ぎました
そこで私は
若くはづんでゐる風船を頬に当てて
ペンを走らせたのです。
可愛い貴方─
どこか景色のいいところへ旅をしませんか、
秋でこざ候
たつた二人になりたく候。
林芙美子の「放浪記」とも重なる情感あふれる作品だと紹介されていた。
確かに・・・。