「NPO法人日本針路研究所」主催のシンポ

 昨夜、村岡到さんが主宰する「NPO法人日本針路研究所」が主催するシンポジュームがあった。
 前々から村岡さんに誘われていたので、三重出張から東京に戻って、その足で会場の水道橋「全水道会館」に直行した。
 日曜日の夜だというのに、会場には約70人が来ていた。
       
 テーマは、『自衛隊とどう向き合うか』
 前半は、3人のパネラーから各論点提起のお話だった。

 ザ・ジャーナル主宰の高野孟さんは、『日米関係の深層』と題して、アメリカの大統領予備選の潮流や、オバマ政権が目指したものや、それが十分にやれなかった背景、さらに日米関係の真相とその歴史的背景など、新聞情報などでは到底わからない興味ある話だった。
       

 自衛隊を活かす会事務局長の松竹伸幸さんは、『護憲派の軍事戦略』と題して、日米同盟関係の従属的実態や、それが日米間の経済協定にまで強く影響していること、日本における憲法擁護と国家防衛に対する国民感情のねじれや矛盾点、それをふまえて自衛隊をどのような位置づけで認め、活かしていくか、実に分かりやすい明解な論点提起だった。
       

 このシンポを主催したフラタニティ」編集長の村岡到さんは、『「非武装」と「自衛隊活用」を深考する』と題して、従来の非武装の意味するところを見直して、抑止力の範囲での軍備を容認しつつ、もし侵略行為があったとしても非暴力抵抗権を行使して反撃はせず、国際世論の「友愛精神」に託すことが、日本国憲法前文「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われわれの安全と生存を保持しようと決意した」の宣言に沿うものだという、自衛隊の現実的容認とその存続意義について、従来の視点を変えた、かなり踏み込んだ論点を提起していた。
       

 後半では、3人のパネラーが提起した論点についての質疑応答や、さらに論点の掘り下げと、会場に集まった人たちとの活発な意見交換がされ、刺激的な内容だった。