土曜日午後、文京区の後楽園近くの区民センターで、NPO日本針路研究所が主催した『今、ウィリアム・モリスを考える』と題した経済学者の大内秀明先生(東北大学名誉教授)の講演会に行った。
先日、村岡到さんから大内先生の本を送っていただいて、この講演会にもお誘いを受けていた。
参加者は約40人。
社会主義について長年にわたり大内先生と研究してきた方や、現在の政治体制や経済政策に関心のある方々が参加していた。
内容は、新書の『ウィリアム・モリスのマルクス主義』に書かれていることのおさらいと補完的説明だったが、著者による生の話で分かりやすく勉強になった。
内容にちょっと触れると、
大内先生は特に次の点を力説する。
3・11東日本大震災は我々に近代文明からの転換を突きつけた。
いま、モリスや宮沢賢治からのメッセージを謙虚に受けて、生き方を問い直さなければならない。
エネルギーの転換 ⇒脱原発
ライフスタイルの転換 ⇒脱大量生産・販売・消費
ワークスタイルの転換 ⇒脱サラ根性(賃労働でない喜びの創造)
大内先生の話を聞き、あらためて、モリスの思想の奥の深さと宮沢賢治の先見的提言に驚く。
講演会の最後のまとめで、進行をしていた村岡さんは、ヤマギシについて「日常の生活圏の中では貨幣を必要としない、労働を報酬と結びつけない、このような事を実際の生活の中で実践している」と紹介してくれた。