三上延著『ビブリア古書堂の事件手帖2─栞子さんと謎めく日常』を読む

 
 三上延ビブリア古書堂の事件手帖─栞子さんと奇妙な客人たち』を読んで、なかなか面白かったし、美人の古本屋店主と店員の絶妙なコンビの古書をめぐっての謎解き、その後の展開も気になって、結局、続編も購入して読む。
        
 続編のビブリア古書堂の事件手帖2─栞子さんと謎めく日常』で、取り上げられている古書は、坂口三千代『クラクラ日記』、アントニィ・バージェンス『時計じかけのオレンジ』、福田定一『名言随筆 サラリーマン』、足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』の4冊だ。
 僕はどの本も読んではいないが、出てくる本にまつわる謎解きには十分についていけるし、その謎解きの展開にはまってしまうあたりが、三上延の凄いところだ。
 それと、福田定一という名前が司馬遼太郎の本名で、小説家としてデビューする前に『名言随筆 サラリーマン』という本を書いていたことも初めて知った。
 また、『UTOPIA 最後の世界大戦』の足塚不二雄という名前も、藤子不二雄のデビュー当時のペンネームで、手塚治虫の「手塚」を「足塚」にしたらしい。
 こんな〝うんちく〟を披露しているあたりも三上延の本の魅力だ。 
 そして、続編では、美人の古本屋店主・栞子さんの生い立ちという謎解きにも、徐々に展開するし、店員(五浦こと俺)との恋心に発展しだした微妙な関係に、続々編の刊行を期待してしまう。