ある人と「最近、雨の日が多いですね。」と話をしていたら、
「なぜ、雛飾りを節句が済んだらすぐに片づけるか知ってる?」と問われた。
「それは、昔から、いつまでも片づけないでいると嫁に行けないと言って、女の子を整理整頓ができる娘として育てる躾からではないの」と答えたら
「違うよ。お雛様の節句が過ぎた頃から、季節の変わり目で雨の日が多い。いつまでも雛飾りを出していると湿気を含んでカビの発生原因になるから、早く片付けた方がいいという経験的な理由から、風習になったと聞いたことがあるよ」と教えてくれた。
確かに、雛飾りの片付けが遅れたからと言って婚期を逃すというのは、ちょっと因果関係に無理がある。
季節になると毎年飾る大事な雛飾りを、カビから守るためと考えた方が、断然妥当性がある。
なるほど・・・と納得する。
◇キミヨさんが亡くなる
多摩実顕地で一緒に生活していたキミヨさんが、昨日の深夜に息を引きとった。享年67歳である。
キミヨさんは、ここ何年か体調が思わしくなかったけれど、元気なときには生活館の廊下を掃除してくれたり、ロビーに飾ってある竹内画伯の絵を季節毎に取り替えるのに気を配ってくれたり、そして、何よりも、いつもお花を生けて飾ってくれて、僕たちに『潤いと癒し』をもたらしてくれた。
写真は、今年のお正月に1階から2階に上がる階段脇に飾ってくれた生け花。
キミヨさんの生け花に、僕はいつも感心していた。その奔放さとダイナミックさ。
もう一つ、キミヨさんについて記しておきたいのは、
キミヨさんは、モンゴルにヤマギシズムが拡がることを楽しみにしていた。
ついこの間まで、毎月のお小遣いの半分を封筒に「モンゴル・カンパ」と書いて、そっと僕の部屋に届けてくれた。
そのカンパは、最近では、今年初めに来日したモンゴル会員・ガンゾルグ夫妻の旅費の一部にもなったし、遡れば、モンゴルでの特講開催費用の一部にもなっている。
67歳で亡くなるのは、ちょっと残念な気もするが、危篤を知らせて来てくれた弟さんの話を聞いたり、日頃のキミヨさんの生活や言動を思い返してみれば、キミヨさんはキミヨさんらしく、信念を持ち続けて精一杯に生きた人生だったのだと思う。
ご冥福を・・・。