地震の揺れを感じながら

 最近、関東では毎日のように地震の揺れを感じる。
 それも富士山麓付近で地震が発生したかと思うと、青森や茨城沖と、東京に住んでいると両側から同じ日に「またか!」と揺れを感じる。
 先週の初めだと思うが、「首都圏直下型地震の発生確率が4年以内で70%」という報道や、それに伴う今週の週刊誌の特集記事。新聞でも日本海溝南海トラフの巨大地震カニズムの解説と、マスコミに地震関連報道がにぎわっている。
 昨年の大震災を体験しているので「また、マスコミが騒いでいる。踊らされるな。」と受け流す勇気もなく、ついつい気になってしまう。
       

 電車の中で、週刊誌の吊り広告を見ていたら、こんなコピーが飛び込んできた。
 「〝自分だけは助かる〟根拠なくそう思っている人がいちばん危ない」
 僕自身も、高田馬場にいるときに直下型地震が起こったら、案内所のあるビルはどうなるのだろうと思いながら、〝自分だけは助かるのではないか〟という根拠のないところで、あるいは無意識を装い、あまり深く考えることを避けているところもある。
 だからといって、「オオカミが必ず来る。いつか、必ず来る」と不安を持ち続けて生活するのも嫌だし、だったら〝どうしたらいいのか〟と考えあぐねて、転倒防止の支えくらいはしても解消されない気持ちのざわめきに、ちょっと戸惑っているのは僕だけだろうか。
 「オオカミが来る」こんな時にも、何かシンプルな〝心のありよう〟があるだろうと考えるが、正直、今日のところは????で、「オオカミが来る」そんな日常が過ぎていく。