お正月を祝いながら「今を生きる」を考える

 我が家・多摩実顕地の玄関の松飾りは、イヌカイさんの手作りである。近所の農家から竹と梅の枝をもらってきて立派な松飾りができた。
 
 鏡餅は12月上旬にみんなで餅つきをした時につくって冷凍保存していたものだ。「謹賀新年」の書はユキエさんの作。富士山の絵はヤマギシの画家・タケウチさんの作。生け花はキミヨさんがいけたもの。
 
 

 正月2日。
 多摩実顕地では朝の8時から午前中、メンバー全員が寄って今年初めての研鑽会をした。今年の抱負や、これからの事でそれぞれが描いていることを出し合う研鑚会で、毎年、年の初めに行っている。
 ある人が「昨年のお正月のこの研鑽会にはKさんがいた。その後、体調不調で病院にいって肺ガンと言われ、11月始めには亡くなって、今年の研鑽会には出られない。人の命って本当にわからない。今を生きているということを考えたい」と言っていた。
 確かに私達は、頭では「今、生きていることを大切にしたい」などと考えているし、口にもする事が多い。しかし、どこかで自分の命は明日も未来も続いていると思って思考し行動している。逆に、それがあるから今日を生きられた、今日やったことも明日につながるからやれるという側面がある。明日はないとなったら今日やることがすべて無になると思うかも知れない。現実は、明日にも未来にも存在している保証などない。しかし、今日、今を生き続ける。この矛盾した運命を背負うのは人間だけでなく、命あるものすべてにかせられたテーマだ。鮭は命を繋ぐために遡上し自分の命を捨てる。「私」があったら成り立たない命の循環。その中で連綿と流れる命…。さて、私は今をどう生きるか……。
 そんな事を、改めて考えさせられる研鑽会だった。