映画『 WALKING MAN 』を観る

 我が家のシカタ君から、某学園時代の同級生が脚本を書いたという映画が、新宿で公開されていると紹介されて、その映画『 WALKING  MAN 』を観る。

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 なかなか、見応えのある、考えさせられる内容の映画だった。

 

 吃音症もあり人前で話すことが苦手で、気弱な、しかし心優しい主人公の青年。
 極貧の母子家庭で、母と妹と暮らしながら、不用品回収業や、交通量調査のアルバイトで暮らす。
 さらに、母が事故にあい重病を負って入院。
 家賃はもちろん、電気代も払えず、電気も止められたアパートでの生活。
 そのような、抗えない運命のいたずらに翻弄される青年に「自己責任」という言葉が投げかけられる。
 その主人公が、あるときRAP音楽と出会う。
 人前で、自分の気持ちも語れない青年が、RAPを通して、心の底から、怒りや希望を言葉にして吐き出すようになり、今の生活から抜け出すべく希望を抱きながら、奮闘し、成長していく。

 

 格差がますます増大しはびこる現代社会。世間は簡単に「自己責任」という言葉で、それに目を背けてしまおうとする。
 そんな社会に対しての、意欲的な問題提起の映画だった。
 
 RAPの音楽に乗せながら「家族の涙はみたくない・・・」と叫ぶ、心優しい青年主人公のRAP姿のシーンを、なぜかエンドロールで思い出し、ちょっと切なくなりながら席を立った。

 そして、どんな境遇でも歩き続けなければ明日がない、そんな思いを込めて、この作品に「WALKING MAN」というタイトルを付けたのだろうかと、フッと思った。


 上映館をエレベーターで降りていたら、新宿で有名なドコモビルが、窓の外に見えた。

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