◇今朝のPhoto
朝起きて、体の衰えだした筋肉を伸ばそうと屋上に上がったら、今日は清々しい秋晴れ。
昨日のニュースで、富士山が初冠雪をしたというので、西の方角の丹沢の山並みから、頭をちょっとだけ望むことが出来る富士山を探してカメラに収める。
僕のデジカメの最高倍率は20倍。確かに雪に覆われていた。
ついでに、東の方角に目を懲らすと、東京スカイツリーも確認できた。
これも、倍率20倍でカメラにゲット。
◇文庫・藤谷治著『 花や今宵の 』を読み終わる
昨日は読書中として書いたが、先ほど読み終わった。
藤谷治さんの不思議な世界の物語だった。
「行き暮れて木の下かげを宿とせば花や今宵のあるじならまし」
冒頭に載っているこの短歌に興味をもって読み始めたのだが、物語は、一の谷の戦いで討たれた平家の武将の一人・薩摩守忠度(ただのり)の辞世の歌、この謎解きから始まる。
平家の落人の里伝説がある山奥の村には、不思議な現象が起こる山がある。
そこには、季節外れの冬に咲く桜の木があるというので、主人公の少年は、「入ってはいけない」という祖母の言いつけを破って、同級生で初恋の少女と足を踏み入れる。
満開に咲き誇っている桜と出逢い、その下で2人ははしゃぎながらキャッチボールをして遊ぶのだが、少女は忽然と姿を消してしまう。
その神隠し的失踪事件から19年が経ち、少女が失踪した日が「朔旦冬至」(新月と冬至が重なる年の冬至のことで、19年に1度の周期)だったので、再び、その「朔旦冬至」に、山に入る。
そこで、再び、咲き誇る桜と再会するのだが、物語は一気に不思議なパラレルワールドへと展開し、結局最後は、全く違う世界が存在していたというファンタジーだった。
「昨日と、今日と、明日が、つながっている」なんて、誰にも言えない。「ほんとうは、そうじゃないかもしれない」。誰にも、立証することも、反証することも不可能だ。
そんなことを、投げかける最後だった。