昨日から読み始めた文庫『 邂逅の森 』

 会の新聞「けんさん」6月号の編集後のデータを日曜日の夜に印刷屋さんに送って、現在、紙面作成に取りかかってもらっている。
 その紙面が出来上がる予定は明日の夕方。ちょっと一息ついている。


 そんなことで、前々から「読んだら面白いよ」と読書好きの友人に言われていて、気になっていた熊谷達也著『邂逅の森』を読み出した。

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 これは、東北の険しい山々に住む獣、熊、ニホンカモシカなどの狩りをするマタギの物語だ。
 単行本で出版されたのは2004年で、直木賞山本周五郎賞を受賞した作品だ。
 2006年末に文庫化されてから、すでに第16刷とは凄い。
 文庫の解説には、今月6日に亡くなられた作家の田辺聖子さんの絶賛している文章が載っている。
 その一部を抜粋すると、
「何気なく本のページをくりはじめ、そのうち、どんどんと内容に引きこまれて、ページを繰るのも、もどかしい、ということがある。本書の『邂逅の森』もまた、そういう小説の一つである。」
マタギという山の狩人の名は、いつとなく私も知っていた。そのマタギの話だ。険峻な山々に住む獣を追って狩りをする漁師たち。」
「本書の『邂逅の森』にめぐりあえて、よかった。私はこの小説によって、親愛なる狩人、マタギたちの人生や、東北の地の雪、氷、嵐、アオシシ(ニホンカモシカ)や熊の体臭、咆哮を、身近に感ずることができた。書物(ほん)は尊むべきかな。活字の伝えるいのちの何という威力(ちから)。」
「本書によって、マタギたちはよみがえり、永遠に生きることになった。小説の徳を思わないではいられない。」
 このように評している。

 

 楽しみに読み進めよう。僕のとって、どのような邂逅となるか・・・。

 

邂逅(かいこう)とは
 思いがけなく出あうこと。偶然の出あい。めぐりあい。
マタギとは
 東北・北越、特に秋田地方の山間に住む猟師の一団。狩猟中は山言葉を使い、頭目の指揮下に古来の伝統を守って生活する。