司馬遼太郎の『ロシアについて―北方の原形』を読んで、チベット仏教に興味を持ち、モンゴル滞在最後の日に、仕事も終わったので、ウランバートルの寺院を巡る。
一番有名な「ガンダン寺院」は、モンゴルに初めて来たときに行ったことがあるので、時間の関係で今回はパス。
今回、参観したのは「ボクドハーン宮殿博物館」と「チョイジンラマ寺院博物館」だ。
◇ボクドハーン宮殿博物館
チベット仏教のモンゴル国皇帝の活仏ボクドハーン8世の宮殿だ。
色褪せた木造建築ながら、美しい細工や装飾が施された寺院でもある。
中は博物館となっていて、チベット仏教系の展示物で飾られていた。
ここでは、撮影料を払ってないので館内撮影は出来ない。
入場チケットの写真を転載。
入場料は日本円にして400円なのに、撮影許可を取るにはプラス2500円必要なのだ。
◇チョイジンラマ寺院博物館
今回は、ここが一番訪れたかった所だ。
ウランバートルのスフバートル広場前に建つ、朝青龍が最上階に部屋を持っていると言われるブルースカイビルの裏にある。
前回に来たとき、撮影許可を取らなかったことが残念で、今回はどうしてもカメラに収めたい仏像があったので、50000トゥグルグ払って撮影許可を取る。
とにかく、チベット仏教、いわゆるラマ教の芸術的仏像や、ツァム(仮面舞踏の祭り)に使われた仮面などが見事に展示されている。
僕が今回、どうしてもカメラに収めたい珍しい仏像は、奥のお寺にある。
司馬遼太郎の『ロシアについて―北方の原形』の中に、モンゴルに伝わったラマ教についての、次のような記述がある。
それを抜粋し要約すると
「この仏教はインドで成立したものだが、仏教というよりも、いわゆる左道密教なのである。左道というのは、邪道という意だが、人間の欲望を積極的に肯定し、性交を密教原理の具象的あらわれとし、かつ秘儀とするものであった。」
「ラマ教にあっては、生身の活仏を観音菩薩または阿弥陀如来であるとするのである。また男女合体の〝妙適(エクスタシー)〟像をあがめるだけでなく、ラマ僧自身が初夜権をもつ。ラマ僧は梅毒を保菌している者が多いために、それを新妻たちに感染させることになった。このことが、人口増加を衰えさせる結果になった。」
「清朝は、ラマ教がモンゴル人の悍気(かんき)を殺ぐ上で大きな効果がることを知ると、この普及と奨励を政策化した。儀式の奨励によって梅毒患者を大いにふやさせた。」
そのほかにも、実に美しい仏像が数多く展示してある。
最後に、案内のお姉さんをカメラに収めて。