「男の研鑽会」と「Eテレ」のおしゃべり

◇第3金曜日の夜は「男の研鑽会」
               
 今日、集まったのは7名の男達で、僕も入れて8名の「男の研鑽会」だった。
 国家公務員を辞して来春の市議会議員に立候補するSさん。
 仕事をやめた心境と、現在の活動状況を話す。写真入りの名刺を作って、着々と準備中だ。
 先月末の春日山実顕地での「集中研鑽会」に参加したTさんは、悩んでいた仕事を一週間前に辞めて、これからのどうするかと、その心境を出す。
 辞めるにあたっても「集中研鑽会」でやった「聴く態度」が、社長とのやり取りで実践できたことが良かったと、スッキリしていた。
 その時に勧められた2週間の研鑚学校の参加を検討していると出していた。
 Tさんは38歳だ。これからの生き方や、家庭と仕事のスタンスの置き方など、じっくり考える時間を持つためにも、ぜひ、研鑽学校に参加してもらいたいと思った。


Eテレ「日本人は何をめざしてきたのか」 『鶴見俊輔と「思想の科学」』
 この番組は、先週の土曜日に放映されたものだが、僕はモンゴル出張で見落としていた。
 昨夜の再放送を楽しみに、「男の研鑽会」が終わって後片付けをしてテレビを点ける。
 深夜の12時から始まった番組を、結局、引きずり込まれて最後の1時半まで観た。
 非常に見応えのある、考えさせられる、現在の社会情勢でも大切にしなければならないことが、鶴見俊輔という思想家であり運動実践家の歩みと、「思想の科学研究会」に集まった人達の貴重な言葉が、その中にはちりばめられていた。
             
 雑誌『思想の科学』は、終戦の翌年に刊行されたことを紹介しながら、「敗戦からより多くを学ぶこと」「思想は使うものであって、論じるものではない」という鶴見さんの考え方を紹介しながら、
 鶴見さんは戦争に突き進んでしまったことに、当時の指導者の「言葉のお守り的使用法」が大きな役割を果たしていたことを指摘した論文、それを紹介しながら番組は始まる。
 「言葉のお守り的使用法」。そんな視点で現在の、政治情勢、社会情勢をみたら、何に気づくか、僕たちに問われている内容だ。
 そして一貫して、鶴見さんは『思想の科学』の場で、「ひとびとの哲学」を掘り起こし続けた、その貴重な実践を、番組は丹念に、鶴見さんの回りに集まった人達を訪ねてインタビューして紹介している。
 番組の最後の鶴見さんの言葉、「真理は間違いから逆算される」。
 失敗や間違いを認識し、それを記憶に留めて、そこから辿る先に真理の方向が見える。鶴見さんはそれを、「消極的能力」と言っていた。