特講を受けた沖縄のNさん

 特講を受けて、その後、春のまつりに参加して、豊里実顕地に2泊して村参観をした沖縄在住のNさん。
 特講を受けた経緯は、先にブログに書いたので、ここでは省く。
 そのNさんと、まつり会場であったら、
 「自分が描いていたことと、ヤマギシがやっていることは本当に近かったと言うのが分かりました。あと20年早く知ったら良かったと・・・・。でも、沖縄の地にヤマギシのような村をどうやって作るか、仲間と話し合いたい。」と、特講で感じたことを熱く語ってくれた。
 その2日後、豊里実顕地の参観を終えて沖縄に向かう時、関西空港から、
 「仲間にヤマギシの事を話したいので、村岡到さんの著した『ユートピアの模索・ヤマギシ会の到達点』を3冊送って欲しい。3人に読ませたい。」と電話があった。
 今日、その本が届いたと電話があった。
 その電話でも、またまた、特講の感想を「一週間で、見ず知らずの人が、あんなに心が通じる。すごい。」と熱く語っていた。
 まつり会場であった時に、Nさんは僕に3冊の本をくれた。
 なんと、Nさんは書籍を3冊も刊行している人だったのだ。
         
 今日から読み始めるのだが、長年、社会や農業の在り方を考え、実践してこられた方なのだなぁ〜と思った。
 その中の『ゆいまーるの世紀へ ─ 人類共生・共存への道』という本から読み始めたのだが、まえがきや目次を見る限り、僕たちが考えていることと、ほぼ一致する感じがする。
 Nさんが繰り返し言っているように、僕も「Nさんともっと早く知り合っていたらなぁ〜」と思う内容だ。
 詳しくは、最後まで読んでから記したいと思う。
 この「ゆいまーる」という言葉は、沖縄の言葉だ。 
 この「ゆいまーる」とは、相互扶助の地域社会コミュニティ。
 いま、それが求められているとNさんは、それを、2003年に刊行した著書で、世に問うているのだ。
 Nさんとは、そのような人だったと驚く。


参考までに「ゆいまーる」の内容をネットで調べたので記しておきたい。
 沖縄(かつての琉球)では「ゆいまーる」または「いーまーる」と呼ばれる結の習慣が残っている。
 「ゆい」は「結」(共同、協働)であり、「まーる」は「回る」の訛りで順番を表す。
 従ってゆいまーるとは「相互扶助」を順番にかつ平等に行っていくことを意味する。
 ゆいまーるも結と同様に、見返りは期待されない。
 サトウキビ畑の収穫の際、例えば5人でゆいまーるが組織されたとする。
 そのとき5名が一致団結して一軒ずつ順番に全てのサトウキビ刈りを行う。
 この組織を「結い組」というが、リーダーの存在しないインフォーマル・グループなのである。
 ゆいまーるは農作業に限定されず、家屋や墓地の建造にも及ぶ。
 また沖縄では、金銭的な相互扶助の習慣も根強く残っており、ほとんどの県民が何らかの模合(もあい・一定額の金銭を払い込み、定期的に1人ずつ順番に金銭の給付を受け取る金融の一形態)のメンバーとなっている。
 ゆいまーるを組む人々は親戚、近隣住民、友人などさまざまであるが、ゆいまーるを通して家族同様の長い付き合いをすることになる。
 ゆいまーるも結と同様に近年では消失しつつある。