「人間と動物の一番大きな違いは、死者を葬り、弔う行為をすることだ」という言葉を、どこかで聞いたことがある。そしてまた、故人となった人を、1周忌、3周忌などと法要を設けて偲ぶことも、人間だけの行為だと言えるだろう。
昨年11月上旬に、肺がんで亡くなったカトウ・テツさんの「偲ぶ会」を我が家・多摩実顕地で29日・土曜日にやった。
ロビー前には、カトウさんの元気な時の写真と、ヤマギシの村の生産物リンゴを飾って、偲ぶ会参加者を迎えた。
厚木のカメイさんは、自宅から花を一抱え持ってきて活けてくれた。
カトウさんは、辛口でずばずば、しかし的確に、そして、その人の事を思って言ってくれる人だった。
カトウさんは、仕事には厳しく、やることも速く、その時の顔は厳しかったけど、仕事以外の時の顔、特に目が優しかった。
カトウさんは、テレビが好きで、特にテニス観戦が好きだった。
カトウさんは、博学で、どんなことでも一言解説してくれる人だった。
カトウさんは、信念を持って、亡くなるまで、実顕地づくりを思って、供給所を思って、発言し続けた。
カトウさんは、野菜の生育や畑の状態にいつも気をおいて、毎日8時半に電話があった。(千葉のヤマギシの村・成田実顕地からのFAX)
カトウさんは、あまり飲めないのに、みんなが楽しく飲んで騒いているのが好きだった。発病してからも、みんなの会話を横に座って聞いていた。
などなど・・・。
一人一人の中にあるカトウさん像を出し合いながら、カトウさんが僕たちに残してくれたものをみんなで探った。
研鑽会後には、カトウさんを偲びながら和気あいあいと食事会。
「カトウさんは、ワインが好きだったよなあ」と、カトウさんの遺影に赤ワインをお供えして、カトウさんを肴に、「人間だけに与えられた、故人を偲ぶ行為」として、楽しいひと時を過ごす。