ヤマギシを書いた新刊の著者・辻秀雄さんと食事

 今日も東京は晴れ。
 今日から気温が少し上がると天気予報では言っていたが、相変わらず空気の冷たい一日だった。

 今日は一日、会の新聞「けんさん」2月号の編集をする。

 夕方、年末に印刷が上がって、今月21日が発売日のヤマギシを取材して刊行された著書『半世紀を超えてなお息吹くヤマギシの村 〜そこには何の心配も不安もない暮らしがあった』(牧野出版)の著者・辻秀雄さんが、案内所に寄ってくれた。
 今年初めて会ったし、新刊についてもいろいろ聞きたかったので、一緒に食事をする。
 そんなことで、今日はここでも新刊の紹介をしたい。


◇これがヤマギシを取材して刊行された新刊
           
 もう、全国の書店に配本され、店頭に並んでいるはずだ。


◇「けんさん」新年号に僕は新刊の紹介で、辻さんの「ヤマギシ会との出会いとその時の印象」について、このように書いた。
 辻さんがヤマギシ会と出合ったのは、今から約40年近く前のことである。当時、某出版社で求人情報誌の編集長をしていた。そこにヤマギシ会から、和歌山県の六川実顕地のみかんの収穫でアルバイトを募集したいから、求人広告を掲載したいという申込みを受けた。
 それまで、ヤマギシ会という団体の存在も名称も知らなかった辻さんは「どんな団体だろうと思い、ヤマギシ会の担当者に会って話を聞き、すぐさまこの団体に興味をもった」と話す。
 辻さんが、最も心惹かれたのは『金の要らない仲良い楽しい村』という、ヤマギシ会のキャッチフレーズだった。しかし、「育った環境も、社会での経験も違う人たちが、果たして仲良く一緒に暮らせるのか、しかも、お金をいっさいもたない生活ができるのか。そんな馬鹿な話があるか」と思ったと語る。
 辻さんのそんな好奇心とジャーナリスト魂が行動に移させた。その後、何ヵ所かのヤマギシの実顕地を訪問し、あるいは東京で、村人と飲食を共にしながら、いろいろなことを語り合い、さらに辻さん自身も実顕地で農作業にも従事しヤマギシの村の生活体験もした。
 実顕地を訪れるたびに、村人と話し込むたびに「特講を受けなければ、本質は分からないよ」と言われ続けて、1年ほど経った時に春日山で特講を受ける。
           

◇約40年近くヤマギシの実践と活動を、第三者的シャーナリストの立場で見つめ続けた 辻さん。
 「生まれも育ちも、受けてきた教育も体験してきた職業もそれぞれ違う、ふつうの人たちが、財布をひとつにして暮らす生活共同体が、60年近くも続いている秘密」に、「現代社会の諸問題を解決できる糸口があるのではないか」との念いで、辻さんは、この本を刊行された。