蝋梅(ロウバイ)が春を告げる

 評論家の若松英輔さんは、「言葉とは、言語として日常生活を飛び交うものだが、コトバは、必ずしも言語の姿をして顕れるとは限らない。それは色であり、音でもある。かたちであり、瞬間を凝縮した光景でもある。」と、言葉の世界でない、コトバの世界に重きを置いている。

 今朝、多摩実顕地近くの忠生公園を散歩した。
 散歩している途中で朝日がさし始めた。
 冷たい空気を静かに分け開けて、温かい陽射しが頬にあたる。
 「ああ〜・・」と、その温かさを感じていると、その向こうに蝋梅が咲始めているのを発見。
 「もう、咲き始めたんだ〜!」と近づいてみると、黄色の可愛い花々が、春の訪れが近いことを僕に告げてくれているようだった。
 そんな感覚。
 それが、若松英輔さんのいう自然が僕ら人間に語りかける「コトバ」なのかと、しばし蝋梅の花に見とれる。