今朝、多摩実顕地の屋上に上がると、昨日の雪が、丹沢の山々、街並みの屋根、道路脇で、朝日を受けていた。
日曜日に栃木県の大田原農場に行った時に、帰路の途中の道の駅で買ってきたネコヤナギ。
妻は窓際に花瓶に挿して飾ってくれた。
昔、僕の田舎にはネコヤナギがいっぱいあった。
小川のほとり、木陰の雪解けも始まり、春の訪れを知らせるように、ネコヤナギの芽がふくらみをみせる。
ちょっと陽当たりがいい、田んぼの土手には、フキノトウが姿を現す。
この時節に帰省すると、姉は亡くなった母に代わって必ず「フキノトウ味噌」を作ってくれる。
でも、昨年の春、3月中旬に電話したら「今年は誰もフキノトウを採らないよ。せっかく出ているのにもったいないけどね。」と言っていた。
我がふるさとは、福島原発から約80Km。
それでも人々は、目に見えないものに、不安を感じて、昨年はフキノトウ味噌を食べるのを、やめてしまった。
今年も今頃は、春の訪れを知らせるネコヤナギの芽がふくらみだし、フキノトウも芽を出し始めているだろう。
きっと、今年も、昨年同様、フキノトウを採る人は少なく、梅雨が明けても梅の実を漬ける人も少ないだろう。そして、アユ釣りが解禁になっても町から釣り人は来ないだろう。
それでも
「原発の近くでは、家にも帰れないし、お墓参りもできない人がいっぱいいるんだから、この辺りは、まだマシだよ。」と、電話の向こうで姉は言う。