四国お遍路の体験を東京でする

 机の上の書類箱を整理していたら1年前の新聞が出てきた。
 「東京にこんなお寺があるのか? ちょっと行ってみたいな」と思って、抜き取っていた新聞の紙面だ。

                

 四国お遍路は興味があるけれども、実際に行ってみようとまでにはならない。
 お遍路が体験出来るのならと思い立って、渋谷に出掛けたついでに寄ってみた。
 そう言えば、萩原朔太郎の詩にふらんすへ行きたしと思へども/ふらんすはあまりに遠し/せめては・・・」。そんなのがあったな、と思いながら、東急線二子玉川駅で降りた。
 二子玉川駅を降りて、商店街と住宅街を15分ほど歩くと、めざす「玉真密院(玉川大師)」があった。

                

 ここに「地下5mの深さに長さ100mにもおよぶ地下仏殿がある」と記事に紹介されている。
 それは、このお寺の初代住職が17回目の四国八十八ヶ所巡礼をしたときに、夢の中で弘法大師空海から霊場を訪れることのできない人たちが御利益を得られる場所を作りなさい」とお告げを受けて、大正時代に作った四国八十八ヶ所西国三十三所の石仏300体以上を祀る地下のお遍路体験の場所なのだ。

                

 本殿に入って、地下お遍路に入る前に説明を受けて、生まれた年を聞かれ、「数え年と同じ番号の石仏が、ご自分の守り本尊になるので特に願い事をお祈りしてください」といわれて、地下に入る。
 入った途端、真っ暗。
 「暗い通路、曲がりくねった通路は、四国巡礼の難所と思ってください」と説明されたので、真っ暗な通路をなんとか壁伝いに進むと、石仏が並んでいた。
 撮影は禁止なので撮すことは出来なかったが、確かに凄い。いろいろな表情の石仏が鎮座していた。(上掲載の新聞写真参照)
 石仏を拝みながら、やっと僕の数え年の石仏を探す。

 道中3カ所暗い難所を通り、最後に「満願の鐘」を鳴らして地上へ。
  

 本殿の外にも、弘法大師などの像が何体も鎮座している。

                

 その中には「ぼけ封じ観世音菩薩」もあった。

                

 そして、「インド伝来・長寿の銅鑼」を打たせていただき帰ってきた。

                

    なかなかの貴重な体験だった。