先日、上野の東京国立博物館で開催中の特別展「古代メキシコ・マヤ・アステカ・テオティワカン」を、都心に出掛けたついでに観賞した。
メキシコのマヤ文明など古代都市文明には、前々から興味があったのだが、この展覧会のキーワードが「利他精神に支えられていた文明」と新聞記事で読んで、ますます興味をもった。
確かに、神に捧げる「いけにえ」の心臓が置かれたと考えられる「チャクモール像」など、人身供犠に関連した作品が数多く展示されていた。
「なぜ、古代メキシコ文明では、人命を神に捧げる行為は、神聖であり重要な儀式であったのか」、古代メキシコ人の世界観を知ることができる特別展だった。
この文明においての「いけにえ・人身供犠」は、単なる非人道的な宗教儀礼ではなく、根源は「利他行為」であり、「この世界の、太陽や月、動物やトウモロコシなど動植物、すべて、それら「神」の「犠牲」によって、人間は生かされているのだから「人間の命も自然界に捧げる」のは当たり前とする「利他精神」の倫理観からきているのだ。
展示物の写真撮影はすべてOK。たっぷりと「利他精神に支えられていた古代メキシコ文明」の世界に触れることができる。
これが、神に捧げる「いけにえ」の心臓が腹の上に置かれたと考えられる「チャクモール像」
これが、この特別展の目玉「赤の女王のマスク・冠・首飾り」
マヤ文明、7世紀後半。神殿で真っ赤な辰砂(水銀朱)に覆われて埋葬されていた「赤の女王」。このマスクをはじめとする品々を身に着けていた墓の主は、パカル王妃であった可能性。
主食であった「トウモロコシ」も神、その「神」の犠牲として人間にもたらされている。
これは「鳥形土器」
これは「鷲の戦士像」
「死のディスク石彫」
「ドクロ」
「マスク」
これは「香炉台」
こちらは「骨壺」なのだ。
そして「文字」
いろいろスマホに収めてきたが、これくらいにする。
見応えのある「古代メキシコ展」であった。