今日の「折々のことば」

 今日の朝日新聞朝刊の『折々のことば』で、哲学者の鷲田清一さんは、次の様な「ことば」を紹介している。
            

       『 病(やまい)、市(いち)に出せ 』
            徳島県・旧海部(かいふ)町の言い習わし 」

 鷲田さんはこのように解説する。
 ──この町では、心の痛みや家庭内のもめ事、事業の不振など、どんな困難も平気で「公開の場」に持ち込めという。やせ我慢は無用。弱音は堂々と吐けばいい。まわりが何だかんだと対処法を教えてくれる。「取り返しのつかない事態にいたる前に周囲に相談せよ」と。苦労を遠巻きに見るのではなく、みなで引き取る文化なのか、自殺率も極めて低い。岡檀(まゆみ)『生き心地の良い町』から。(鷲田清一)──


 この徳島県海部町(現在は隣接の町と合併して海陽町)には、昔、ヤマギシの村があったところだ。
 どんなことでも、我執なく、遠慮気兼ねなく、みんなの中に出して、みんなの知恵で研鑽して、そのときの最善最高な方法を見出す生き方。自分の思いを放し、みんなと研鑽する生き方。
 これは、まさにヤマギシズムの生き方だ。
 今朝の『折々のことば』を読んで、定かなことは言えないが、もしかして、ヤマギシの村の人たちの考え方や生き方が、いまでもこの町に根付いているのではないだろうか、と思った。