金曜日のおしゃべり

◇屋上から望む山々
 朝起きて、我が家・多摩実顕地の屋上に上がり辺りを見渡すと、日に日に新緑が濃くなっていくのが気持ちいい。
 初夏という今の季節、爽やかな朝、僕は好きだ。
    
    
 

スカイツリー
 今朝の新聞に、『スカイツリーはきょう開業3周年』という記事が載っていた。
        
 観光客で賑わうスカイツリーを、東京に来た人には勧めるが、自慢じゃないけど(恥ずかしいけど)僕はまだのぼったことがない。
 いつでも行けるという安心(慢心?)と、混んでいるからなあ〜という敬遠で、足が遠のいている。
 案内所でランチタイムにその話題になった。
 驚いたことに、今日、案内所に来ていた事務局の3人の女性みんな、僕と同じでのぼってないという。それも、それぞれ夫婦ともそうなのだ。
 みんなで、大笑い。
 そろそろ、行ってのぼってみようかと思う。


浅田次郎の文庫
 先週、電車の中で読むものがなくなって、気分転換には面白そうと思って手に取ったのが、浅田次郎の『一路』という小説の文庫本だ。
 その時は、まずは(上)だけを買う。
        
 小野寺一路、十九歳。父の不虜の死を受け、御供頭を継いだ若者は、家伝の「行軍録」を唯一の手がかりに、江戸への参勤行列を差配する。いざ、江戸見参の道中へ―。 (「BOOK」データベースより)
 こんな、浅田次郎の世界に引き込まれて、昨日の帰宅時に、この文庫の(下)を買ってしまった。
        


◇ちょっと心に留まった短歌
 帰宅の電車の中で、今日はなんとなく短歌でも読みたくなって、以前に買って鞄に入れてあった永田和宏さんの『人生の節目で読んでほしい短歌』を開く。
 今日、心に留まったのは、こんな一句だ。

     のび盛り生意気盛り花盛り 老い盛りとぞ言はせたきもの
                      築地正子『みどりなりけり』 

 若いものを形容する言葉には多く「盛り」が使われる。「盛り」は人生のなかでもっとも充実している時を言うのだから、誰も老人に「盛り」を使わない。詠み人・築地正子は、それに異議申し立てして、少なくとも私の〈現在〉は「老い盛り」と言ってもいい充実はあるのだと詠っているおもしろい歌だと、永田さんは評している。
 この詠み人の気持ち、僕もわかるな〜と心に留まった。

 最近、長男の嫁が携帯をガラ系からスマホに変えた。
 ラインを使って、時々、孫たちの成長する姿の写真を送ってくれる。
 そのたびに、元気に育っていると妻と一緒に鼻の下を長くして「育ち盛り・のび盛り」の孫たちに対面だ。
 そんな「盛り」の孫たち。
 僕ら夫婦は、「今」が充実した、どんな「老い盛り」を内実した生き方をしているだろうかと、お茶でも飲みながら語り合ってみようかと思った。