赤坂サカスで文楽鑑賞

文楽に情熱を傾ける若手太夫の奮闘と成長を描いた三浦しをんの『仏果を得ず』を読んでから、伝統芸能文楽に興味を持っている。
 どこかの市長が、この日本の誇るべき伝統芸能への助成金を、集客目標が達しなければ減らすと言って話題になったが、このような伝統芸能を継承している人達に、集客うんぬん、営業採算うんぬん、そんなこととは別な世界で芸を磨いて継承して欲しいと、僕は思う。

 
◇その文楽公演が赤坂サカスのACTシアターであることを知って、早速、夜公演のチケットを予約したのは1ヶ月前だ。
 それも今回の公演は、「能」と「文楽」のコラボレーション。
 画期的な企画だと知って楽しみにしていた。
    
 

◇ゲットしたチケットは、お小遣いと相談して2階席の4000円也。
 ちょっと舞台からは遠いが、これで良しとしようと、上演前なのでシャッターを切る。
 (本当はこれも禁止らしい。すみません。)
    

 第一部が、能の『翁 日吉之式』を上演し、その後、文楽『二人三番叟』を上演。
 さすが能は、古来より天下泰平や国土安穏を祈祷する神事や祝いごとの折に演じられるとだけあって、威厳と重々しさがある。

 幕間に、文楽技芸員による「太夫」「三味線」「人形」の解説。
 この解説が、素人の僕にも実に分かり易く、これを聞いただけでも、今日はラッキーと思ったくらいだ。
 「太夫」技芸員は、浄瑠璃語りは1人でやるのだが、物語の展開や情景描写、多くの登場人物を語り分ける、その苦労話と、例えばと実際に語りを演じてくれたりの解説。
 「三味線」技芸員は、なぜ太棹の三味線が使われるか、語りとの絶妙な間合い、掛け合いのコンビネーションの難しさを語っていた。
 そして「三味線は地味なんです。文楽人形浄瑠璃とも言いますが、そこに三味線は入ってない。これからは、人形三味線浄瑠璃と言って欲しい。」と訴えて、笑いを誘っていた。
 「人形」技芸員は、人形の仕組みや、その人形を操る3人の役割分担、呼吸の合わせ方などを丁寧に説明してくれた。

 第二部は、文楽『壺坂観音霊験記〜沢市内より山の段〜』の上演。
 こちらも事前の物語展開の解説があったので、浄瑠璃語りが理解でき興味を持って観賞出来た。


◇上演が終わった後のカーテンコールになって、やっと撮影許可。
 挨拶の最後には「みんさま、どうぞ写真に撮って、ブログやフェースブックに載せて、文楽の良さを知らせてください。」と・・・(精一杯の営業努力をしていた)。