久々に昨夜は映画を観る

 昨日は休日だったが、午後からサユリさんが「やることがいっぱいあって・・」と、案内所に来てくれた。
 夕方、新宿の紀伊国屋書店にも寄りたかったし、その裏のピカデリー劇場で上映している映画も、前々から観たいと思っていたので、サユリさんに戸締りをお願いして、早めに案内所を出た。
 
 映画は『 RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』
        

 富山県の地方鉄道を舞台にした映画で、
 1ヵ月後に定年を迎える運転士の男が主人公。仕事を誠実に務め42年間無事故無違反で、職場の仲間からも尊敬されている仕事人間だ。
 そんな夫を支えながらも、残り少ない人生に悔いが残らない様に、やりたかった看護の仕事をやるために家を出て離婚まで決意して、自分の人生を悩みながら求める妻。
 そんな2人と、2人を取り巻く人たちの人間模様を描いたストーリーだった。
 
 この映画のサブタイトルが『愛を伝えられない大人たちへ』とあるように、
 真面目な生き方を貫き通すからこそ、それを、どうして解ってくれないのかと、すれ違う2人。
 その、真面目で誠実だからこそ、言葉に出さなくても分かり合えると思っているが、日常のちょっとしたボタンの掛け違いで生まれる夫婦の間の気持のずれ。
 中年夫婦の、どこにでもある、自分にも身に覚えがあるような、そんな夫婦のすれ違いを描いていた。
 例えば、
 妻なんだから、夫なんだから、自分の気持ちは分かっているだろう。
 夫婦なんだから、言葉に出さなくても、理解しあえるだろう。
 長年連れ添った夫婦なんだから、いまさら、そんな些細なことに「ありがとう」なんて言えないよ。
  
 そんな日頃の、どこにでもある夫婦のすれ違いの原因に、多かれ少なかれ身に覚えがあるから、観ていて切なくもなったし、心が通じ会ったラストの場面で感動もし、涙腺がゆるんでしまった。

 富山県の、のどかな風景、四季折々の澄んだ自然、それをバックに走るワンマン電車。
 さらに、三浦友和余貴美子の夫婦役の演技が、何とも言えない、どこの夫婦にもあるような「すれ違い夫婦」を自然に表現し演じているのがいい。余貴美子という女優の演技が僕は好きだ。脇役の小池栄子も光っていた。