俳優・原田芳雄が亡くなった

 つい先日、映画「大鹿村騒動記」の試写会の席に、激ヤセの原田芳雄が入院先の都内の病院から車いすで登場したニュースをTVで観て、原田芳雄が闘病中であることを知って驚いた。
 アウトローから古風な父親まで、様々な役柄で強烈な存在感があった原田芳雄は享年71歳という。また、味のある個性派俳優がいなくなった。
 僕は、かなり以前、東京の本郷で小さな出版社を経営している知人からの案内で「黒木和雄監督を囲む映画会」というのに出席したことがある。
 もう昔のことなので黒木監督が何を語ったかは忘れてしまったが、そこで上映されたのが「祭りの準備」という映画だった。
 確か作家の夢を胸に秘めながら四国の片田舎で生活する青年が、地縁・血縁のしがらみの中でもがき苦しみながら、田舎を出るまでを描いた映画だったと思うが、出演していた原田芳雄が印象に残った映画だった。
 そんな事で、5〜6年前に黒木和雄が今度は井上ひさし原作の「父と暮らせば」を映画化したというので観たら、そこでも原田芳雄が原爆で亡くなった父親を演じていた記憶があって、僕の中では強烈な男臭さの原田のイメージがあって「闘病中」というのに驚いたのである。
 これもかなり以前に観たので記憶が定かでないが「砂の器」の父親役も強烈な印象だったが、あれは映画だったか、それともTVドラマだったか・・・。