しばらく「積ん読」だった「文藝春秋4月号」を開く

 もう書店には「文藝春秋」5月号が並ぶ頃である。購入してからちょっとだけ開いて、そのまま「積ん読」していた4月号を思いだし、今朝、電車の中であらためて開いてみた。
 
 4月号を購入したきっかけは、和歌山県ヤマギシの村・六川実顕地の歌人・ウエカドさんから「僕の短歌が、文藝春秋4月号に引用されているんですよ」というメールをいただいたからだ。
 確かに、三山喬氏の「衝撃のルポ・同志菅直人よ私はホームレスに堕ちた」という中で、2月7日に朝日歌壇に入選したウエカドさんの歌が引用されていた。
 ウエカドさんの朝日歌壇に入選した短歌
   「伊達直人公田耕一その人を知りたくもあり知りたくもなし」
 ここに出てくる公田(くでん)耕一というホームレス歌人を探し求めていたら、菅首相市民運動家時代の同志に巡り会い、その人物が今はホームレス生活を送っているという生き様をルポした内容だった。なかなか読み応えがあった。(このルポだけは、購入した時に読んでいた)
 
 今朝、電車の中で読んだところは、「これが私たちの望んだ日本なのか」というテーマで「これからの日本に必要な能力とは何か」などのアンケートに各界の125人が答えている記事である。
 大きな震災が起こり、原発事故が起き、否応(いやおう)無しに価値観の転換を迫られているような今、何人かの言葉に心惹かれるものがあった。
・音楽家谷村新司氏の答え抜粋
 「私たちの意識が今の日本を作ったのです。
 この国は…、この日本は…と言う時、私達はどこか第三者のような立ち位置になっていないだろうか。
 この国を作っているのは私達ひとりひとりだ、という意識を持つべきではないでしょうか。
 広い野球場の中で多くの人達が外野席にいて、プレイヤーに不満を言い続けている。自分の欲で馬券を買い、それが外れた時に、騎手や馬のせいにする。その原因が自分自身の中にある事に気付かない限り、その図式は永遠に変わりません。
 “足るを知る”この言葉を私達は今、肝に銘じる時。余るものがあれば共に分かち合う“共生の時代”になっていることを胸に刻んでおきたいものです。」
・解剖学者の養老孟司は「もう一度、モノについて本気で考えよ」と題して書いている。
・大学教授の大木隆生氏は「お金と水は似ていると思う。いずれも所要量なければ生死に関わるが、所要量(水なら2リットル程度)を越えて所有していても幸福度にほとんど差が生じないからである。」として「衣食足りたらトキメキを求めよ」と言っている。
・医師で作家の鎌田實氏は「今この国には物語が必要だ」と書いている。
などなど。
 もっと引用したいが、ブログを書く時間は30分程度としている時間オーバーなので、この辺にする。

 とにかく、朝だけでは読み切れず、帰宅の電車の中でも読んだのだが、満員電車の中での時間が、短く感じる内容だった。