今年も残すところ今日を入れてあと5日

 今日の金曜日、昨夜の雨が朝には止んで晴れ。しかし、風が冷たい。

 

◇年末恒例の蒲団乾燥
 年末が近づくと、毎年、僕の役割というか担当というか、我が家の客間の蒲団乾燥がある。
 早いお客さんが29日から滞在と聞き、今日の午前中、客間の半分だけ、蒲団乾燥をする。
 蒲団を台車に積んで屋上の乾燥機まで運び、乾燥機内部の掛け棒に掛けるのだが、それがなかなかの重労働なのだ。

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 残りは、明日のファーム町田店スタッフの空き時間にやる予定だ。

 

◇午後は高田馬場の案内所
 会の新聞「けんさん」新年号を、全国のヤマギシの村に発送する分を封筒詰めしたり、月末の事務処理をする。

 

◇今年最後の読書は奥野修司さんの『 ナツコ 沖縄密貿易の女王 』
 この本、ハードボイルド的タイトルが付いているが、沖縄の終戦間際の混乱の中、生きるための食糧を、台湾や香港からの密貿易という闇の取引で確保し、男勝りの度胸と商売の才覚を発揮した実在する一人の女性・金成夏子の壮絶な生き様を描いた物語なのだ。

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 僕が読んだのは文庫本だが、2005年に単行本で刊行されたとき、講談社ノンフィクション賞と、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞している。
 あまりの凄まじい生き様に触れて、僕はまだ、読後感想を書くまでに感動を醸成し切れていない。
 それにしても、ノンフィクション・ライターとしての奥野修司さんの取材力には脱帽だ。
 12年の年月をかけての取材が、巻末資料の主要参考文献一覧は6ページに及び230点を超えているし、取材協力者一覧は2ページに匿名を希望した人を除いて、こちらも230名を超えて記載されている。

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 もう少し詳しい読後感は追々書きたいと思っているが、沖縄の米軍に支配されていることを憂い、祖国復帰など口にできなかった時代、政治の世界で立ち上がりシンボル的存在となったのが瀬長亀次郎という政治家だとすれば、極端な食料不足の同時代、市井の中から生きるために立ち上がり、沖縄を救ったのがここで取り上げられている金成夏子と言えるのではないか。
 この2人、沖縄の祖国復帰という点で心が通じ合い、夏子の密貿易で得た多額のお金を、亀次郎の運動資金に渡していることも記されいる。そこに、金成夏子という実業家の沖縄人としての矜持を感じて感動する。