沖縄に関する新書2冊

 那覇市内にある瀬長亀次郎の資料館『不屈館』の売店で、僕は2冊の沖縄に関する新書を買った。
 沖縄を訪れ、沖縄の空気を吸っているのだから、沖縄の現実をもっと知りたいと思ったのだ。
 その2冊の新書は、
   新崎盛暉著『日本にとって沖縄とは何か』
   石川文洋著『フォト・ストーリー 沖縄の70年』
      

 この2冊を、帰りの空港での待ち時間と、機内と、そして昨日と今日の通勤時の電車の中で一気に読んだ。


◇『日本にとって沖縄とは何か』
 著者の新崎盛暉さんは、元・沖縄大学の学長で、沖縄現代史の専門家である。
 現在、日本政府と沖縄県とが激しい対立をしている辺野古新基地建設は、単に米軍基地の建設をめぐる問題ではなく、戦後70年間の日本―米国―沖縄の関係史の「到達点」として存在していると、著書の「はじめに」で述べている通り、本書は、戦後から現在までの沖縄の歴史的歩みを検証し、その時々の問題点を指摘している。


◇『フォト・ストーリー 沖縄の70年』
 著者の石川文洋さんは、沖縄生まれのカメラマンで、かなり以前に僕は2、3度お会いして、お話をしたことがある。
 ヤマギシの実践にも理解をしてくれて、ヤマギシズム学園生が演じた『ミュージカル・農が好きだ』東京公演の賛同人にも名を連ねてくれた人だ。
 本書は、ふるさと沖縄への想いと、その沖縄で、その時々に取材したときの記録がまとめられている。
 カメラに収めた市民ひとり一人の写真と、その時の、その人の言葉が歴史の裏付けとして記されている。


◇「現在の沖縄の現実と、その実態が、どのように形成されたのか」
 この新書2冊は、僕の乏しい沖縄認識を多少なりともカバーしてくれたことは確かだ。

 
◇沖縄の樹木Photo
 那覇市国際通り沿いにある「てんぶす那覇」の裏手にある『希望が丘公園』
 小高い丘に登ると、公園内は南国の木が木陰を作る静かな公園だった。