日曜日のおしゃべり

◇朝は暴風雨で昼からは異常な暖かさ
 夜半にガラス窓を打つ風雨の音で目覚めてしまった。
 まるで台風並みの暴風雨だった。
 朝起きても、その雨と風は止まず、ファーム町田店の幟はすべて倒れていた。
 9時ごろには、雨も小止みになってきたが、南風は相変わらず強かった。
 そんな中を、何とか開店準備をする。
 11時ごろ、太陽も顔を出し、風も弱まったと思って幟を立てたが、風は夕方まで強かった。
       

 今日は、昼頃から気温が上昇。まるで5月ごろの陽気だった。
 「今朝は凄かったわよねぇ。晴れたと思ったら暑くなって・・・」
 そんなお客さんの言葉を、今日は何人から聞いただろうか。
 こんな異常な天候の日曜日だったが、お客さんはいつもの日曜日とさほど変わりなく来てくれた。
 ファーム町田店の店内に飾っていた梅の枝も、満開だ。
     


ノーベル文学賞の『チェルノブイリの祈り』
 先日、ゲレルマさんが貸してくれた文庫だ。
 ウクライナ生まれのスベトラーナ・アレクシェービッチ著・松本妙子訳の『チェルノブイリの祈り─未来の物語─』
       

 この本の著者は、2015年ノーベル文学賞を受賞している。
 題名の通り、1986年のチェルノブイリ原発事故から10年以上が経過した時点で、事故に関わった被災者50人ほどへのインタビュー記録だった。
 事故直後に駆け付けて消火活動をして被ばくし亡くなった消防士の妻の証言。
 3日間の避難と聞いて避難した地域住民たちの証言。
 立ち入り禁止地区の除染作業や、事故処理に駆り出された軍人たちの証言。
 核エネルギー研究所の元所長や研究者の証言。
 避難先でチェルノブイリから来たというだけで差別を受け、死を受け止めなければならない子供たちの証言。
 などなど、多彩な立場の膨大な人々にインタビューした記録である。
 読み終わっても、僕の力量では、一言で感想を書ける内容ではない。
 チェルノブイリ原発事故、それが人々にどんな影響をもたらしたか、その実態を「こんなことだったのか」と受け止めるだけだ。
 著者は「一人の人間によって語られるできごとはその人の運命ですが、大勢の人によって語られることはすでに歴史です。」と書いている。
 ノーベル文学賞を受賞した著者のドキュメンタリー文学作品。一読をお勧めする。