NHKスペシャル「〝無縁社会〟の衝撃」をみて考える

 昨夜、NHKスペシャルで「無縁社会」をテーマにした番組があった。以前にもこのテーマが放映された番組があって大きな反響と話題になった。今回はさらに突っ込んだ取材をし「無縁社会」を乗り越えるための処方箋は何か、解決の道筋を模索するという番組案内に惹かれてテレビの前に座った。
 社会の中で人と人との繋がりから「無縁」となる人は、高齢者だけでなく、働き盛りの人や若者に急激に拡がっているという事実を取材していた。そして、ネットでしか繋がることができない若者の生活実態も映し出されていた。居酒屋に行く時も一人でパソコンを持ってネットの向こう側の人と映像と声を相手にビールで乾杯して食事をする女性。一人住まいの自分の部屋をカメラで流しながら、常時ネットの相手と同居しているような会話をする若者など、その実態は想像を超えたものだった。そして、失業して仕事の繋がりもなくなった若者、学校を続けられず学校という繋がりも断ってしまった若者、それらの人々を支援しているNPOなどの取り組みが紹介されていた。
 人は、他との繋がりの中での自分の存在、自分の居場所、自分が必要とされている実感、それが感じられなくなった時に「このまま自分は生きていて何の意味があるのか」と不安になり、自分の存在価値を見失う。
 番組を観ながら考えさせられることが多かった。一夜明けた今でも考え続けている自分がいる。
 現代社会に広がる病弊の一端を私たち一人一人に突きつけられた感じがした。さらに「みんなが幸せに暮らせる社会」を目指している、そのあなたに何ができるのか…と。