「精神性を基盤とするコミュニティー研究会」に参加する

 29日・土曜日の午後、今月初めに三重のヤマギシの村・春日山実顕地を参観された愛称「おもさん」が主宰する「精神性を基盤とするコミュニティー研究会」が東京の初台であり、その時にヤマギシ会訪問報告もするので参加しないかという連絡を、おもさん達を受け入れたオカノさんから連絡を受けて参加した。
 研究会に集まったのはおもさんも含めて15名。京王線初台駅から歩いて10分ほどのマンションの一室。

 参加されている方々は、エコビレッジ・デザイン・エデュケーション(EDE)という持続可能な暮らしのコミュニティを作るための教育機関で学ばれた方が多かったが、参加者の中にヤマギシ会の特講を10数年前に受け、研鑽学校まで経験している方もいたり、昨年秋に春日山実顕地で生活体験し、正月特講を受けたゴダイ君も参加していたのには驚いた。それぞれの自己紹介の中で、何人かの人から「今日はヤマギシ会の話が聞けるというので楽しみに来た」と言われ、昨年11月から始まった木の花ファミリーとの交流が、すでに木の花ファミリーという枠を超えた交流へと広がり始めていることを感じた。

 おもさんの「ヤマギシ春日山実顕地訪問」はプロジェクターを使っての説明。実顕地の暮らしや仕組みについて、おもさんが感じたことを話されていた。報告の途中で「もうちょっと詳しい説明を」とおもさんから振られたり、参加している方から「実際に生活していて、どうなんですか」的な率直な問いかけもあったりして、自分が日頃感じていることを含めて話させてもらった。参加されている方ほとんどが興味津々といった感じで聞いてくれた。
 その後、「それぞれのコミュニティーの夢を語るタイム」では3人の方から、これからやろうとしているコミュニティー作り構想や、実際に手がけているコミュニティー作りの進展状況などを聞くことができた。東京の小金井で始まっている「トランジションタウン計画」とか、群馬県の山間地域で牧場を購入して進められているコミュニティー作りなど、興味ある内容だった。それと、このようなコミュニティー作りが実際に日本の各地で試みされていることに驚いたし、人々の意識と社会の流れの変化を実感した。
 研究会をひとまず閉じての懇親会では、和気藹々とさらに突っ込んでの意見交換。

 今回参加してみて感じたことは、私たちヤマギシ会が今まで実践してきたことが、持続可能な暮らしとしてコミュニティー作りをしている人達に、とても関心を持って受け入れられる時期が来たということ。そして、目的を同じくする人達との交流や連帯が、目的実現の具現方式として求められてきたということ。(これは木の花ファミリー訪問時も感じたことではあるが、さらに実感)
 もう一つ感じたことは、私達は「精神性を高める」という事は研鑽学校や日々の研鑽の中でやってきた。私自身、あえてスピリチュアル的な領域には踏み込むことを避けていた。しかし、今回集まっていた人達もそうだが、自己完結する瞑想などに終わるスピリチュアル的なものでなく、誰の心にもある「共感」や「感性の磨き」として、実践的な人と人の繋がりをもった社会への広がりのある、精神性を高めるスピリチュアル的なものが、コミュニティー作りの大きな要素として捉えているのであれば、これも、私達が目的とする事の実現における要素として「そうかも知れないし、そうでないかも知れない」と食べず嫌いの我執を外して、聞く耳を持ってみたいと思った。