「地域力フォーラム」に参加


 23日午後、早稲田大学10号館で催された農文協主催の「地域力フォーラム」に参加した。
 「持続する価値観と文化のために」という題で「自給の力」「場所の力」「農の力」をテーマに各地で地域活性化に取り組んでいる人たちがパネラーになって探る企画だ。
 なんと会場に行ってみると、約500人の参加者。このような企画にこんなに参加者が多いことに驚き。

 基調講演の哲学者・内山節氏は「世界はひとつのシステム、自然の生命活動と人間たちの生命活動が連鎖する世界」と言う。さらに「農業や林業だけでなく、基本的には都会の暮らしもそうであるが、その繋がりのための手段である貨幣や市場が、現代は目的になってしまい、自然との生命活動の連鎖の姿がみえにくくなっているだけである。私たちは自然とともにある持続する価値観を、新たな地域主義を創造して、もう一度私たちの手の中にしなければならない」旨の提言をしていた。

 内山氏の著書は以前からよく読んでいる。共鳴するところが多く、好きな哲学者だ。
 約5時間のフォーラムだったが、途中で席を立つ人も少なく、参加者の熱気を感じた。
 最後の内山氏の「これだけの参加者が集まるとは想像できなかった。新しい時代、新しい価値観の潮流を感じる」というまとめが印象的だった。

 地域社会の衰退が言われている中で、このような動きに希望を感る。いま、自分たちは何を考え、どんな価値観を創造して、どう行動するかを考えさせられたフォーラムだった。