水曜日と木曜日は三重県に出張

 今週は、明日(水)と明後日(木)が三重県に出張だ。
 今日中に、会の新聞「けんさん」5月号編集の紙面完成まで見通しを付けたいと思って、朝から取り組む。
 紙面作りを担当してくれているイワタさんの努力で、なんとか夕方に原稿と写真を入れた大まかな紙面が出来て、一安心。
 出張から帰って最終校正をして編集終了だ。


◇おもしろ料理店
 夕方、ワイシャツをクリーニングに出そうと歩いていたら、面白いお店を発見。
 いつも利用していたクリーニング店が、先日、火災で延焼してしまったので、現在は歩いて5〜6分ほどのクリーニング屋さんを利用している。
 大通りから路地に入ったら、こんなお店があった。
 まだ、出店して間もないのか、新しい店構えだ。
        
        
        
 「宮内庁御用なし」「まずい魚」と堂々と看板に表示している。
 それを見ると、話の種に一度入ってみたくなるのは、僕だけではないだろう。
 そんな効果を狙ってのことか???
 どんな店主だろう???
 時間があるときに、友と連れだって入ってみようと思う。

稲葉稔著『喜連川の風 参勤交代』を読む

 この『喜連川の風』シリーズを、僕は第一作から読んでいる。
 この題名の「喜連川」は地名で、栃木県のさくら市にある。
 そこにヤマギシの村・那須実顕地があるので、僕は時々、喜連川を訪れる。
 喜連川藩を舞台とした物語なら、話題として読もうと思って、これが第三作目だ。
       
 今回は、奥州道中にある喜連川藩の小さな宿場に、2藩の参勤交代行列が同時期に宿泊するという物語。
 天童藩織田家仙台藩伊達家は、同日に宿泊希望するが、それを調整して1日ずらしてもらい、喜連川藩の宿場が両藩に好感を持たれるように、宿場の整備や修繕、逗留時の料理などを準備する内容なのだ。
 主人公の天野一角は、いまでいう中間管理職。
 上司の無理難題や思いつきの命令に、悪戦苦闘する。
 さらには、大事な参勤交代行列逗留を前に、火事が起こったり、ならず者による事件も発生して、それにも持ち前の英知と剣の腕で解決する。
 仙台藩は62万石、参勤の供揃えは約3000人。宿場逗留を一日ずらしてもらった天童藩は2万石で約100人。
 参勤交代という制度に、各藩の財政的負担は大変なものだったと何かで読んだが、その行列が通る逗留受け入れ藩や宿場も、それで潤いながらも大騒ぎだったことが、描かれていて面白い。


 「日本一小さいけれど格式は高い」喜連川藩については、第一作の「江戸出府」にその内容が説明されているが、この小説を読む上では、大切な予備知識なので、要約して改めてここでも記しておく。
 実質石高はわずか4千5百石しかない。城もなく藩庁は陣屋。家臣は200人に及ばない。
 領内の村はわずか16村(加賀百万石は2110村、宇都宮藩は168村)と、日本で一番弱小藩だ。
 しかし、格式は高く、大名とは1万石からと言われる中で、表石高10万石として江戸城では大大名たちと肩を並べる別格扱い。
 さらに、参勤交代は免除、人質的要素の妻子を江戸に住むことも免除、全国諸侯に幕府から課せられる数々の普請(土木事業)の賦役も対象外。徳川将軍家でさえ「御所」号を名乗れるのは将軍が隠居したのちに「大御所」と呼ばれるときだけなのに、喜連川藩主は、領民、家臣、他国の人々からも「御所様」と言われることを許されてた。
 なぜか。
 喜連川家は、清和源氏の流れを汲む足利将軍家を祖としているからだ。
 征夷大将軍を名乗る徳川家としては、その源氏の統領だから、足利家を重んじ優遇して、権威づけるために足利家の血をひく喜連川家を、客分扱いとして尊崇しなければならなかったのだ。