上野の東京国立博物館で開催中の特別展「ポンペイ」を鑑賞

 2016年にも六本木で『世界遺産ポンペイの壁画展』が開催された。
 今回はポンペイ出土の膨大な遺物を収蔵するナポリ国立考古学博物館の全面的協力のもと、まさに〝ポンペイ展の決定版〟とも言える」特別展だという新聞記事を見て出掛けてみた。

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 前にも書いたが、僕は1984年秋にポンペイの遺跡地を訪れたことがある。
 当時、某労働組合の役員をしていた僕は、所属連合会が主催した「ヨーロッパ労働事情視察」に参加する海外出張があった。
 3週間の旅程で、スイス・ジュネーブの国際労働機関(ILO)本部訪問と、ヨーロッパ各国の労働組合との意見交換と交流の出張だった。
 その旅程のイタリア訪問の時に、僕はどうしてもポンペイ遺跡を見たいと思って、休日の自由行動の時に、同行した友人とローマからの日帰り旅行のバスに乗って遺跡群の地を訪れた。
 その時のことは、2016年の『世界遺産ポンペイの壁画展』鑑賞後にブログに書いた。
   https://naozi.hatenablog.com/entry/20160525/1464185869

   
 
◇確かに今回の展示は圧巻だ
 紀元後79年、イタリアのナポリ近郊のヴェスヴィオ山で大規模な噴火が発生。ローマ帝国の都市ポンペイなどが火砕流で埋没。ポンペイには約1万人が住んでいた。その噴火時に発生した火砕流の速度は時速 100km以上で、市民は逃げることはできず、一瞬のうちに5メートルの深さに町全体と共に市民も生き埋めになった。
 発掘は18世紀に始まり、豊に栄えていた2000年前のポンペイの暮らしを裏付ける壁画、彫像、工芸品から、食器、調理具といった日用品まで発掘され続け、現在も続いている。

 それらの展示構成は、
     序 章 ヴェスヴィオ山噴火とポンペイ埋没
  第1章 ポンペイの街:公共施設と宗教
  第2章 ポンペイの社会と人びとの活躍
  第3章 人びとの生活:食と仕事
  第4章 ポンペイ繁栄の歴史
  第5章 発掘の今むかし
 に分類されて展示してあった。

 

先ず、映像でヴェスヴィオ山噴火と発掘されたポンペイの街並みなどを紹介 

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  これは「女性犠牲者の石膏像」だ。

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 生き埋めになった人々は、遺体部分だけが腐敗消失し、火山灰の中に空洞ができていたのを、そこに石膏を流し込み、人体の姿を再現している。

 

◇展示品を何点か写真に撮ってきた

 撮影OKだったので、何点か写真に撮ってきたのでアップするが、ポンペイの壁画など美術品の劣化が最小限に食い止められ豊かな色彩を失わずに、当時の人々の生活をそのままの状態で保存されたのは、火山灰を主体とする火砕流堆積物に乾燥剤として用いられるシリカゲルに似た成分が含まれ、湿気を吸収し、町全体を隙間なく埋め尽くしたためといわれる。

 街の運動場から発掘された大理石像「やりを持つ人」

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サンダルを脱ぐ女神像「ビキニのウェヌス

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日常風景を描いたフレスコ画

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剣闘士達が使った兜や脛当て

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青い水差し

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エメラルドと真珠母貝のネックレス

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奴隷の拘束用具

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果物などの壁画

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パン屋の店先やパンのフレスコ画

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酸化したパンも原形をとどめている。

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金のランプ

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黒曜石の杯

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料理保温器

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壁や床、敷居などのフレスコ画やモザイク画が凄い。

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 面白いのは、玄関の床に「猛犬注意」のモザイク画も。

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ポンペイの繁栄した都市の暮らしは、今もまだ発掘作業が続いている。