原田マハ著『 総理の夫 』を読む

 先日、原田マハさんのリボルバーを読んだことを、このブログに書いた時に、原田マハさんの作品が好きな事、今まで読んだ作品で印象に残っている著書名などを記したら、読書好きの友人から「『総理の夫』は読んでないの? あれは痛快な内容の物語だよ」とメールが届いた。


 そんなことで、早速、読んでみる。

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  確かに「痛快」な内容だ。
 第111代内閣総理大臣に、日本初の女性総理が誕生するという物語。
 その物語の展開を、鳥類研究学者の夫が日記風に書き留める。
 ちなみに、現在の菅内閣は第99代内閣だから、まだ先の時代設定であるし、この作品を原田マハさんが書いたのが2013年なのだが、現在のこのコロナ禍で疲弊しているなかで悶々と生活している僕たちには、菅総理に失礼だが「こんな国のリーダーがいたら・・・」と思ってしまう内容なのだ。

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 9月には映画化されて公開されるというので、内容には触れないが、読み進めていて先が気になるストーリーと、どんな困難にも「人生で受け入れられないたったひとつのことは、曲がったこと」という信条を貫き、未来に向かって突き進む女性総理の姿は、ほんと「痛快」という一言で集約される。
 「すべての国民が明日への希望を持てる社会」
 そのためには、いま、どんな社会的問題があるか、その解決に向けて、ただひたすら前に進む主人公の女性総理、それを支える世間知らずともいえる純粋な夫。
 読み終わって、これはきっと、原田マハさんが「近い将来、こんな総理が誕生したら・・・」という願望をもとに描いたのだ、と思ってしまったし、僕も「現代社会の矛盾と問題点を的確に掴み、その解消の政策実現に向かって熱く語る政治家がいたら・・・きっと・・・」と期待してしまった。