映画でモンゴルの大自然に触れる

 知人から「モンゴルの大自然に触れられる映画を、いま公開されているよ。」と言われて、今週初めの夕方、早速、観に行った。

 

 映画のタイトルはターコイズの空の下で 』
 知人の言葉通り、モンゴルの壮大なロケーションを舞台にしたロードムービーで、「モンゴルの大自然を満喫できる映画」であることは確かだった。

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 物語は、主人公のタケシ(柳楽優弥・やぎらゆうや)という青年が、モンゴルでの大自然の中で、モンゴル人に触れながら旅を続けるなかで、変貌し、自分を発見し、成長していくというもの。
 主人公のタケシには両親がいない。そのために祖父の大企業経営者・三郎(麿赤兒・まろあかじ)に甘やかされて育ち、贅沢三昧の自堕落な生活を送っている。
 老い先長くない三郎は、自分の後継者がタケシだけなので、そんなタケシが気になっている。
 そんなある日、三郎が所有する競走馬が盗まれた。犯人はモンゴル人のアムラ。
 三郎は、犯人がモンゴル人と知って、罪を許し身元引受人となり、アラムにタケシをモンゴルに連れて行くように依頼する。
 三郎には、第2次世界大戦終了時にモンゴルで捕虜生活を送ったことがあり、その過酷な労働の中でも、現地の女性と親しくなり娘ができ、生き別れしているという過去がある。
 アムラとの出会いをきっかけに、三郎は生き別れた娘を捜すため、タケシをモンゴルへ送り込むのだ。
 言葉も通じず、価値観も異なるアムラとともに、戸惑いながら旅を始めるタケシ。

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 雄大なモンゴル平原の中を、タケシとアムラはポンコツバンで、60代となっているであろう日系女性の三郎の娘を探す。
 しかし、実はアムラはモンゴルでも馬泥棒として指名手配されていた。
 旅の途中で、警察に追われてアムラが逮捕され、タケシは一人になる。
 野宿を余儀なくされて狼に遭遇し、来ていた衣服を棒に巻いてガソリンかけ火をつけての戦い。
 ケガをしたタケシを親切に介抱してくれた妊婦が、ゲルの中で産気づき、壮絶な出産にやむなく立ちあう体験。
 そんな数々の体験のなかで、タケシは成長していく。

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 最後は、三郎の娘に辿り着き、携帯電話で病院のベットに横たわる危篤の三郎に「サブロウ・オトウサン」と、娘の声を聴かせる。

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 壮大な自然の中で、モンゴル人のセリフを極力抑えた語り口がいい。
 見知らぬ旅人への親切さ、激情型で計画性がなく、思いついたら行動するモンゴル人気質(失礼)も、よく描かれていた。
 物語の展開の速さというか、雑さに、「どうして、そうなるの?」と戸惑う部分もあるが、それはそれとして、雄大なモンゴルの大自然をたっぷりと味わることができる映画である。

 

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 蛇足になるが、壮大な草原の中で放尿するシーンが何回かある。
 ドライブインのトイレなどない大草原では、当たり前の行為。
 タケシは最初、気恥ずかしそうに車の陰で放尿するが、徐々に慣れて、アムラと並んで堂々と放尿。
 僕も、モンゴルに行ったときは、たびたび同じようにした行為だ。
 実に気持ちいい行為なのである。
 ハーブ系の香りが風に流れてきて、それを頬に受け、遠くの山並みを望みながらの行為。
 あの感覚は、忘れられない。
 
 最後に「ターコイズ」について。
 日本名は「トルコ石」で装飾品に使われる。身につけることで、揺るぎない信念を貫き、夢や目標を達成させるパワーストーンともいわれている。 さらに、この石は『友情の石』。人にプレゼントし、されることにより、心と心をつなぐ絆をよりいっそう深め、パワーアップさせる石ともいわれているそうだ。