北方謙三著『チンギス紀(三)「虹暈」』を読む

 北方謙三が5月から刊行している新シリーズ『チンギス紀』。
 モンゴルを舞台にしたチンギスハーンの物語なので興味があって、第一巻の『チンギス紀(一)「火眼」』と、第二巻の『チンギス紀(二)「鳴動」』は、既に読んでいる。
 今回は、10月30日に刊行された第三巻の『チンギス紀(三)「虹暈」』を読んだ。
     

 チンギスハーンこと若き日のテムジンは、まだ2500騎ほどを率いる部族の長に過ぎない。
 しかし徐々に、他の部族との駆け引きや戦を繰り返しながら モンゴル族の統一へ向けて頭角を現し、そのテムジン軍の存在感は増してくる。


    まだ、雪が残っている。
    雪の間から草が芽吹き、原野は白と緑の斑(まだら)だった。
   

 こんな、歯切れのいい文章の北方謙三世界に引き込まれて、通勤電車の中で一気に読んだ。